たぬき(競馬予想AI)の具体的な使い方など

ここでは当サイトのたぬき(競馬予想AI)の使い方などについて、もう少し詳しくご説明します。
長いですが、少しでも参考になれば幸いです。

そもそもたぬきって?

うちのたぬきはいわゆる競馬予想AIです。
言ってしまえばただのプログラムですが、優秀な時もあればポンコツな時もあり、とても愛着があるので「たぬき」と呼んでいます。
2019年のGWくらいから開発をスタートし、以降改良を繰り返しています。

たぬきには2010年以降の全てのレースを対象に、だいたい400くらいのファクターを学習させています。
人間系で400のファクターを処理するのは難しいかと思いますので、うちのたぬきはなかなかに優秀です。
たぬきは学習した経験則をもとに未来のレースについて各馬の「能力値」を計算(予想)します。

しかし、例えばG1クラスでこの能力値の平均が「80」くらいだったとすると、新馬クラスでは「50」くらいになる場合があります。
(メンバー皆が強いG1、メンバー皆がそこまで強くない新馬戦、みたいなイメージです。)
このままでは能力値がいくら以上あれば強いと判断して良いのかわかりにくいので、そのレースごとの「相対値」を出してみました。

その後馬券組立のロジックの方で色々試行錯誤した結果、現在は相対値として偏差値を採用しています。

たぬきが算出する偏差値は人間の世界の偏差値と考え方は全く同じなので、偏差値50で平均点です。
偏差値60は十分強い馬ですし、偏差値80なんかあればとんでもなく強い馬です。
(その偏差値80の馬が負けることもあるのが競馬の面白いところですが、、、)

私はたぬきが教えてくれる各馬の偏差値と実際のオッズを見ながら毎週競馬を楽しんでいます。

たぬきの良いところ

うちのたぬきの一番いいところは「オッズの情報を全く使用していないところ」だと考えています。

たぬきにはレース前の「オッズ」や「人気」の情報を与えていません。
なんだかんだ人間の集合知ってすごいもので、各レースの単勝オッズはおおよそ各馬の能力値を表していると言えると思います。
実は競馬予想AIに「オッズ」や「人気」の情報を与えると、そのAIの「的中率」はほぼ間違いなく向上します。
それくらい人間が作るオッズってすごい情報なんです。
しかし、それらの情報を与えるとAIの計算がオッズに引っ張られすぎてしまい、

AIの予想結果 ≒ オッズ

みたいになってきてしまいます。

回収率を考えると、1番人気の単勝をベタ買いした場合が約80%なので、100%以上を目指すためには1番人気ベタ買いよりも多少的中率が高い程度のAIで回収率を20%以上上乗せする必要があります。
回収率を20%上げるというのはとんでもなく大変なことです。

もちろん百発百中の的中率100%で回収率100%以上、というのが競馬予想の究極系ではありますが、そんなことは誰にもできません。
的中率を落として回収率は100%以上を目指す、これが現実的な落とし所ではないでしょうか。

では、それは具体的にどんな買い方でしょうか。
ごくごく当たり前の話だと思いますが、「過小評価されている馬」を探すことだと思います。

「過小評価されている馬」は、おそらく1番人気ではないでしょう。
過小評価されている馬は「実力 > オッズ」の状態です。

言うのは簡単ですが、各馬の「実力」を把握するのって難しいと思いませんか?
もちろん競馬予想の中級者・上級者の方であれば各馬の実力の評価ができますが、競馬初心者にはハードルが高く、かつ時間もかかります。
「じっくり予想したいけど、今日は時間がない、、、」なんてこともあるかと思います。

ここで役に立つのがうちのたぬきです!

たぬきには「オッズ」や「人気」の情報を与えていません。
つまり、たぬきの予想結果はオッズ情報と合わせて使うことができるんです。
「オッズ情報を与えた競馬予想AIの計算結果」と「オッズ情報」は合わせて使う意味があまりありません。
なぜなら先ほど紹介したとおり、この2つの情報はほとんど同じものだからです。

回収率は的中率と違い、配当あっての数値なので、必ず実際のオッズを考慮する必要があります。
うちのたぬきの計算結果はオッズと組み合わせて使える情報だからこそ意味があるものだと思っています。

しかしながら、実際にはうちのたぬきが1番強いと言っている馬が1番人気、ということがかなり多いです。
強い馬は人間から見てもAIから見ても強いんですね。
私はそんな時には基本的に馬券を買いません。
(私は買うレースよりも見ているだけのレースの方が多いです。)

一方で、うちのたぬきが強いと予想した馬の人気がなかった時はチャンスです。

もちろんその馬が勝つとは限りません。
基本的には人気のある馬の方が強いでしょう。
しかし、仮に単勝オッズ11倍の馬であれば10回に1回勝つだけで回収率は100%を超えるんです。

運よく10回のうち2回当たれば回収率は200%です。

なんとなくいけそうな気がしてきませんか?

たぬきの使い方の例

皆さんが最も気になる部分かと思います。

しかし、実は私もまだ「たぬきの最も効率的な使い方」は分かっていません。

というのも、「AIの予想精度」と「回収率」は基本的に別物だからです。

仮にたぬきの予想が完璧なら回収率はどうやってもプラスになりますが、たぬきの予想が完璧でない以上、回収率を高めるために馬券の買い方を工夫する必要があります。

この「買い方の工夫」が、すごく難しいんです。。。

馬券種の選定は勿論、買う/買わないの判断や、どのくらいの期間を想定して利益を最大化するのか等々。

例えば、2020年のシミュレーション上では「偏差値上位2頭のうち1頭以上が単勝5番人気以下の馬を含んだワイドのオッズが10倍以上」であれば、回収率は150%以上になりました。

しかし、この条件に合致するレースは少なく、中央競馬であれば月に10レースあるかないか程度です。
また、これが最善の買い方であるとも思っていません。
もっとレース数をこなすことで全体の収支を安定させる方法もあるでしょうし、もっとレース数を絞ってより確実に勝つ、という方法もあるでしょう。

このあたりを突き詰めるのは今後の課題です。

前置きがとても長くなりましたが、ここではあくまで「私の場合の」たぬきの使い方を例としてご紹介します。

前提

先に書きました通り、回収率は配当あっての数値です。
そのため、あるレースで偏差値が飛び抜けて高い馬がいても、オッズが1倍台であれば私は買いません。

たとえ馬券偏差値1位が単勝1.1倍の超人気馬で、その馬が順当に勝ったとしても、それはリターンがリスに見合っていない勝負に1回勝っただけです。

基本的には固そうなレースを捨て、たぬきが予想する偏差値の順位とオッズの順位がズレている馬を狙います。

私が現時点で採用している3つのパターンについて紹介します。

「偏差値上位2頭のうち、単勝5番人気以下の馬を含んだワイドのオッズが10倍以上」

パターン1です。

上にも書きましたが、これは基本的に勝負したいと思っています。

10倍のオッズなので、普通は「10回に1回くらいしか当たらない」のですが、これをたぬきの力を借りることで「10回に2〜3回当てる」ことを目標にしています。

2020年のシミュレーションでは10〜12倍のワイドオッズであれば約27%の確率で的中となりました。

少し出来すぎですが、イメージとしては以下の写真のような感じです。

うちのたぬきはヘネラルカレーラの偏差値を65.1(2位)、ランスオブミューズの偏差値を73.0(1位)と予想しました。
約26倍のオッズなのでこんな機会はなかなかない上、はっきり言って的中する確率は低いですが、もし見つけたら是非勝負したいレースです。

「偏差値上位2頭のうち、単勝4番人気以下の馬を含んだ馬連のオッズが10倍以上」

パターン2です。

これは割と見かけます。
しかし、パターン1よりはオススメしません。

10倍以上と言いながら、実際には20倍や30倍となっていることも多く、なかなか当たらないからです。。。

結構な数を連続で外す覚悟が必要です。
2020年のシミュレーションでは一応回収率は120%程でプラスだったため採用していますが、安定感はありません。

「偏差値1位の馬のオッズが10倍以上となる単勝・複勝」

これもパターン1には劣りますが、ある意味基本パターンです。

オッズの条件は7倍程度まで下げてもギリギリ回収率はプラスなのですが、勝負する頻度が高くなりすぎるため、私は10倍を目安としています。
(このオッズが20倍や30倍になってくると逆に回収率は下がっていく傾向にあります。)

2020年のシミュレーションでは、回収率は100〜110%程度でした。

注意点など

ここまで書いてきた通り、私は結構「捨てるレース」が多いです。
しかも、勝負できても回数的には負けることが多い買い方をしています。

つまり、かなりストレスが溜まります。

ストレスが溜まる(負け続ける)と、ついつい大きく勝負したくなってしまいます。
ブレずに同じやり方を続けることが実は回収率を重視する競馬において一番重要なことかもしれません。

また、もうひとつ注意すべきなのは締切直前のオッズの変動です。

こればっかりはどうしようもありません。
私は自動購入を採用しているので、レースの結果は後で見ることも多いのですが、

「なんでこんな人気の馬買ってるんだ?」

みたいなことが結構あります。
その点、シミュレーションは過去のレース結果(確定オッズ)を使用するため、オッズの変動はありません。
そのため、上に書いたシミュレーション上の回収率なんかは話半分で聞いてください。
「言ったとおりに買ったのに勝てないじゃないか!」と言われても困ります。。。
シミュレーションと現実のギャップを埋めるのも、競馬AIを考える上では大切な要素だと思います。

最後に

うちのたぬきが予想する各馬の偏差値は、「レースの結果のみ」から計算されています。
そこに人間の思いや感情は入っていません。
極めて客観的な、純粋なデータです。

一方オッズは、人間の思いや感情の集合体です。
この2つがある程度綺麗に重なる、というのも面白いのですが、よく見てみると馬の評価にズレもあります。

「攻めるならここだ!」と思いませんか?

長い文章をここまで読んでいただいたあなたには、少なからずうちのたぬきに興味を持っていただけたものと思っています。
たぬきの偏差値は本ブログで毎週(たまに止まりますが)公開していますので、参考にしてしてもらえると大変嬉しく思います。
いいねやコメントもいただけると今後の開発の励みになります。
X(旧Twitter)もやってますので、フォローいただけると嬉しいです。

うちのたぬきに全乗りしてくださいとは言いません。
あなたの競馬がたぬきによって少しでも面白いものになれば幸いです。

それでは、今後ともたぬきけいばをよろしくお願いいたします。